Saturday, October 28, 2006

むすんでひらいて~歌詞と解説 ルソーとの関係 そのルーツに迫る~『ドナドナ研究室』

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『世界の民謡・童謡』 トップ > ドナ研 > No.5 『むすんでひらいて』

■はじめに

『ドナドナ研究室』ファイルNo.005では、幼少期に日本の幼稚園・保育園等に在園していた方であれば一度は歌ったことのあるであろう「むすんでひらいて」を取り上げたいと思います。「むすんでひらいて」と聞いて「これは純粋な日本の童謡なのでは?」「なぜ世界の民謡・童謡のクローズアップで取り上げられるの?」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、それらについては後述するとして、まずは「むすんでひらいて」の歌詞をご覧ください。

むすんで ひらいて
手を打って むすんで
またひらいて 手をうって
その手を 上に
むすんで ひらいて
手を打って むすんで

この歌詞についても今更掲載する必要のないくらい日本人の心の中に深く刻まれていることでしょう。「むすんでひらいて」のメロディーを聞くと、自分が幼い頃の具体的な思い出が頭の中に鮮明によみがえってくることも多いと思います。

■一体「むすんでひらいて」の正体とは?~様々な顔を見せる不思議な童謡のルーツとは~

一般的には、この曲のメロディーを聞いてほとんどの人が連想するのは幼少期の遊戯曲・童謡である「むすんでひらいて」だと思いますが、必ずしもすべての人がこの童謡としての「むすんでひらいて」を連想するわけではないようです。

ある程度御高齢の方にこの曲のメロディーから思い浮かぶイメージを聞いてみると、この文部省唱歌である「むすんでひらいて」ではなく、昭和初期の戦争時の軍歌・行進曲を思い起こされる方がいらっしゃると思います。

また、児童・生徒向けの唱歌として記憶していたとしても、「むすんでひらいて」というタイトルではなく、全く別の歌詞とタイトルがつけられた曲として認識している御高齢の方は結構多いでしょう。

さらに、聖書・讃美歌・教会音楽に詳しい方にこの曲のメロディーを聞いてもらうと、返ってくる答えの多くは「むすんでひらいて」ではなくこれは讃美歌であると言われるかも知れません。

もっと言うと、アメリカ人にこの「むすんでひらいて」のメロディーを聞いてもらうと、「ああ、これは『ロディーおばさんに言っといで』という曲のメロディーだね。」という答えが返ってくるでしょう。

もっともっと言うと、クラシックやオペラに詳しい方に聞いてもらえば、これも「むすんでひらいて」の内容とはほとんど関連性の無い楽曲名を教えてもらえることでしょう。

何故「むすんでひらいて」のメロディーを聞くことで連想する対象やイメージがここまで人によって異なるのでしょうか?私達が幼い頃から慣れ親しんできたあの「むすんでひらいて」はなんだったのでしょうか?これらの多様性の背後にあるカギを解くには、この曲が生まれ伝わっていった過程を見ていく必要がありそうです。

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